












2026年9月27日
アメリカから帰国する飛行機の中にいる。
サンフランシスコから関空まで12時間のフライト。
今回、ポートランドに行くのは4度目だった。
1度目は2019年の10月末、友だちに誘われて初めて旅行で訪れたポートランド。
わざわざ人には言葉にして伝えないような、でも個人的にはあまりに大きな偶然がたくさん起こり続けていて、人知れず街の片隅、本屋の片隅でメソメソ泣いていて、この街に恋におちた。
2度目は2023年の2月から5月を1人過ごした。
あのころ独立して数年だった私は仕事が忙しくて、日本でいつも疲れていていつも寝不足でいつも少し不安定だった。
ポートランドで暮らしをして、自分に、写真を撮らせてあげたかった。だんだん、ただの自分に戻っていった。特別な友達ができた。
3度目は2024年の4月、初めての海外旅行の両親をつれて6泊の滞在。ここでできた友だちとも再会して私たち3人の本当に素晴らしい思い出になった。
4度目が今回の9月、6泊の滞在。
今までは知らなかった部分が少し見えたり、個人的に大切にしたくなる新しい物語を迎えにいった。
それに、ポートランドに暮らす友だちが別の街に暮らしていた頃にポートランド移住を意識し始めたときの話…当時の気持ちや迷い、決断のこととかを、暮れていく夕日を浴びてビールを飲みながらゆっくり聞けた時間とか、すべてが本当にとてもよかった。
ポートランドで出来た色んな友だちとも沢山会えたし、新しい友だちもできた。
自分が、見て知って感じてる世界の印象を身体中で浴びて心や頭の中で消化して自分のものにしたり大切にすることは素敵なことだけど、それが正解だとか、全てだと思うのはよくない。
いつもどこにいても、自分の知ってる世界や、目の前の友だちや目に見える場所や出来事、行き交う言葉、それは世界の一部でしかなくて、当たり前のようにに氷山の一角以下で、
当然、自分の世界をつくりあげてるものは、類友でしかないんだから、と思う。
その友達は別の街でエンジニアをしてたとき、2-3度出張でポートランドに来て、それでこの街が気に入ってしまった。
お金や見栄や名誉でなく、当たり前を、当たり前にできる街、地球に優しいことを大切にして暮らしてる人々、クリエイティブで、街の標語がキープワイヤード、、
「僕ここに向いてる、」と思って、迷ったけど3年後、両親が亡くなった後、この街に越して来たそう。
ここにきて13年になる彼に、いま幸せかと聞いたら、しあわせだとにこにこしてた。
ここに来て良かったかと聞いたら、本当によかった、もっと早くここに来られたらよかった、とも。時間が足りないほどなんだなあと、なんだか私がとても幸せな気分だった。
自分は自分のやり方で、この街と二拠点なのか、暮らし始めるのか、現実と折り合いをつけながら、どんな風に歩いていこうかと思ってる。
ポートランドじゅうに流れる「僕たちは自由、わくわくする生き方はみんな自分で決めるものでしょう!」と朗らかにきこえてくるような街やひとの雰囲気がほんとうに好き。
かといって、個人と話してみたらあまり陽キャすぎない、なんなら少し陰なところも好き。
「自分で決めるよね、(ただし慎ましやかに暮らして折り合いもつけながらね、暮らし大事だからね、あと地球に優しくね)」と聞こえてきそうな控えめでもある街。
件の友だちはいつも人生は冒険、と言っていて、わたしの行きたいところに付き合わせても、目をキラキラさせて、君のおかげですてきな冒険ができたよ、と言ってくれる。
晴れた日には歩いて橋を渡ろう、とポートランドにあるたくさんの橋の中から好きな場所を選ばせてくれる。
散歩しながらあたらしい建築をみつけては、今は木造がいちばん新しくて地球に優しいポートランド空港も云々、と楽しそうにディティールやデザインのことを教えてくれる。
限られた人しか入れない、建設中の大学の芸術コースの新校舎にもこっそり忍び込ませてくれたりした。写真の暗室や大きな機織り機とかがおいてあって、織りかけの作品は地球のモチーフだった。
日本に到着するのは28日の夕方で、17日に発ってから11泊も留守にしていたのかと冷静になるとやっぱりヒヤッとするけど…
ここに行って過ごす時間は、自分の未来の決断に関わる時間が、必ずたくさん用意されてるとなぜか確信が持てる街。
かならず、想像の何倍もおどろくようなことが起こる街。
わたしはあの街でいつも完全に透明になっているんだと思う。
たぶんとても私に合っていて、日本にいるよりも、純度100%の水みたいになって街を徘徊してる。勝手に友だちがふえていく、導かれていく。
気づいたら、おかえり、と言ってくれるひとがたくさんできた。
「急かされたり」「決められたり」するのが苦手で「どこにでも行ける予感」に喜びを感じる私は、だからポートランドがとても合うとかんじる。
生まれ育った場所では、残念だけどそうゆうことに潰れそうになってばかりいる。
また、笑ってただいまを言えるように、帰国したら仕事もごりごりがんばりたいと思う。
1日置いて、30日から撮影が始まる。たのしみ。
今回迎えに行った新しい物語…ポートランドで展示をさせてもらえる場所を見つけた。
きっと来年はあの街に自分の展示をしにいく。日本での仕事も暮らしも、ほんとにむっっちゃ頑張る。
今回は日本から友達とその娘さんも合流してくれて、同じAirbnbで泊まって一緒に街を歩いたりスーパーマーケットで買ってきた食材で食卓を囲んだりした。そのことも本当にすてきな時間だった。3人ですべての時間が、穏やかだけどきらきらと輝いて見えた。