カメラマンをしています。

ふかふかの夜に。

本業はフリーランスのフォトグラファー。ここを日記のように使っています。誰かに見せたいものじゃなくて、自分が忘れたくない気持ちを置いとくところ。たまに写真や仕事のこと。

墨田区、京島。

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8月13日、お盆の木曜日。

日記が全然追いつかないわけだけど

昨夜、関東の出張から戻り、

茶店でアイスコーヒーを飲んでる午後二時。


やらなきゃいけないことをいくつか

後回しにしていて、

まずはそれを片付けなくちゃ。と

少し焦って駆け込んだ店内。涼しい。

まだ少しざわざわしてる。


さいきんの備忘録。

..


8月11日火曜日、

ダスキンの連載の撮影で千葉県の安房鴨川へ。

大漁旗の模様を描き、染めをする「萬祝」の工房を取材させてもらった。


4代目にあたる若き職人は、このコロナ禍で

伝統工芸の職人の四割が廃業する見通しだと

教えてくれて、びっくりしてしまった。

撮影後はバスで東京駅に向かい、

翌日の別の撮影の為に墨田区曳舟へ。

初めて降りたった下町のその駅の、

古い街並みに残る長屋に泊まらせてもらった。


翌日は「すみだ向島EXPO2020」という

アートイベントに関する撮影だったから

友人のアーティストヒロセさんと合流して、

現地の関係者の方々を紹介していただき、

夜な夜なみんなで連れ立って

近所のステーキハウスで食事をして、

畳に敷いた布団で早々に眠りに落ちた。


...


8月12日水曜日。

朝から、京島の案内人「後藤さん」と

娘の「みるちゃん」に界隈を案内していただいて

話をして、写真を撮った。

https://m.realtokyoestate.co.jp/column.php?n=1257

地元の90歳の大谷さんは私達を家にあげてくれて、

体験してきた戦争の話をしてくれた。

東京の墨田区、京島とは、まさに

そうゆう場所なのだそう。

誰も家に鍵をかけていなくて、隣人とお喋りをする。


京島には、後藤さんの手によって解体をまぬがれ

リノベーションされた長屋や古民家が

徒歩圏内のそこかしこに散らばっていて、

以前「商店建築」に載ったと誌面を見せてもらった

ヒロセさん作の「本棚の家」の実物も

見ることができてすごく良かった。


始めて訪れたこの街の気配を

すっかり気に入ってしまった私は、

「あらためて写真を撮りに来させてください」

とお願いをして、早めに帰阪した。

名古屋出身の後藤さんも、12年前に別の目的で

この街を訪れ、気に入って、住み着いて、

古い街並みを守り活用する暮らしを選んだ。

「はじめて、地域を気に入ったのです」と

教えてくれた。

この場所から何かが始まる予感がした。

 

詩と純度と料理。

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二日前に純度の高い数時間を過ごしてしまい、

消化が済まないでいる。

言葉にしてたくさんの人に伝えられるような

シンプルな出来事ではないけれど、

その日のその時間は私の宝物になった。

まだ全然うまく伝えられないけど、

忘れたくないから、あらけずりのままでも

今、ここに置いておきたいな。


8月9日、日曜日。

数年前から仕事でご一緒している、

料理家の奥地さんと磯野さんの場所で、

ごはん会を催してもらった。


ふたりは物凄く美味しい料理を

テーブルいっぱいに並べて迎えてくれた。

到着してすぐ、

奥地さんが缶ビールを手渡してくれて、

イッタラのグラスに白ワインを注いでくれた。

磯野さんは、このパンにこのバターをたっぷり

塗ってブルーチーズをのせるとおいしい、

と教えてくれた。小さな花束を渡すと、

「ちょうどお花がないねって話してたのです!」

といって、大きなガラスの素敵な鉢に

ざくっ!と花を入れてくれた。

愛がこもっていた。

花の生け方にも、料理にも、人にも、空間にも、

その日にも。


恋人のようなきょうだいのような

ふたりの空気感が好きなわたしは嬉しくなって、

最高に素敵なごはん会の始まりだった。


その日のテーブルには

他人から借りてきた言葉はひとつもなくて、

自分が大切にすると決めたものや

守るものの話をしてたんだと思う。

じぶんの言葉で伝えようとする各々のうつくしさと

目の前の人のことが知りたいと、祈るように

耳を傾けるほんとうの優しさが、

居眠りなんかを挟む無頓着さでもって

常にテーブルに置かれていた。

 

それこそが、ふたりが大切にしてること

そのものなんだと言わんばかりに、

料理にまざって静かにそこにいた。

私はおしつけがましくなさにおののいて、

こりゃあ消化が間に合わないな、と

早々に気がついて

浴びるようにことばと気配を楽しんだ。

 

一言一句間違えずここに書けたとしても、

到底つたえることが私にはできない。

詩に鮮度があるように、

写真に鮮度があるように、

その日の言葉には鮮度があった。

「そこに詩はあるのかないのか」、

そんなことを私達は話し込んでいた。


近い距離では全然遠いひと同士が

もっと大きな輪になったとき、

外から見て合ってるなって見えたら

それが良いと思う、と奥地さんは言った。

好きな銘柄のホワイトソースが映り込んだ

写真を見てそこで働こうと決めた、と

過去の職場のことを

磯野さんはそんな風に言った。

 

尊いものは透明で、きらきらと透き通ってる。

そのテーブルは

季節もない、ちいさな宇宙のようだった。

おこがましいけれど私達はその日

同じ言語ではなしてた。

よかった。私はここにいることができてよかった。

祝福したいような一日だった。

薄いブルーの花束をもってきて、私の食卓に飾ってくれた。

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八月。気づいたら梅雨はとっくに明けて

この一週間は、色んな場所で色んな人と、

色んな仕事をした。


自然栽培の茶畑に行ったり

レンタルハウスで寝具を撮ったり

スタイリストさんの場所で料理を撮った。

子どもやプロダクトを撮って、

スタジオでブツドリをした。


プライベートでは、

幼馴染とワインを飲み、短いドライブに出かけ、

「仲直りの人」が作ってくれた色んな料理を

毎日、ふたりでたくさん食べた。


豚汁、おにぎり、シナモンロール

麻婆豆腐、炒飯、酢の物、お漬物。

イチジクのサラダにヨーグルト、

フルーツ、エトセトラ。

 

全く料理のできない私は、毎日感動してる。

もうしわけなさにオロオロしながらも

居心地の良さにそこから動けず、

たくさん食べてたくさん眠り、頼りにしてる。

朝や昼や夜、

食卓にはたくさんの料理が並んだし

その人は、たっぷりの手料理と一緒に

薄いブルーの花束をもってきて

わたしの食卓に飾ってくれた。

にっき。がんばっていきたいな。

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ここのところの、備忘録。

..

7月27日、月曜日。

連休明け、神戸で撮影。

早々に終えてみんなでランチを食べて解散。

休み明けで頭がとろんとしてて、

連休ってそうゆうもんだよなあと、

とろんと考えてた。

「ひとり整える」時間を、少し作った。

 

..
7月28日、火曜日。

スタジオで寝具の撮影。

羽毛布団やブランケットをたくさん撮った。

お昼はスタジオ近くのハイサンドイッチへ。

可愛いくて美味しい◯

撮影の量がなかなかで、撮りきれず後日へ。

 

..
7月29日、水曜日。

フードスタイリストの丹羽さんの場所で

料理の撮影。彼女とは仲良くしてもらっていて、

友人としてもとってもお世話になっていて

大好きなんだけど、この四月から2人で

「サンドイッチテーブル」というプロジェクトも

始めていて、その時間を共有しているからなのか

仕事中の安心感がすごくてハッとした。

終始ほっとした気持ちで撮影がすすむというか。


自分達から何かをはじめてうごくということは、

そこから生まれる素敵な可能性も

たくさんひめているんだな。

リラックスして目の前のことに集中できる状態が

いちばん良いんだなって感じる。


お昼はなんと、手作りのパンとサンドイッチを

出してくれて、丹羽さんがサンドイッチの

そばにいるビジュアルにさらにホッとした。

 

..

ありがたいことに、

連休が明けてまた忙しくなってきた。

ふにゃふにゃと過ごした連休の、

覚えたてのメリハリをじぶんのものにして

がんばっていきたいな。

知っていながら、1人では全然できてなかった。 だからとっても嬉しかった。

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「整える」は大切だな、とおもう。


この間の四日間、暦通りに休日を過ごした。

予約していた美術館に行きミナ・ペルホネンの

「つづく」をみて、温泉に浸かり、散歩をして

昼寝をして、ハンバーグを食べたり

バーベキューをしたり、朝からケーキを食べたり

絵を描いたりした。とにかく、

合間にいくつか打ち合わせはあったものの

かなりのんびり過ごした。


平日が戻ってきてから、おやおやと驚いてる。

メリハリ無いのは良くないと思いながらも、

ひとりではこんな風に過ごせなかった。

ソワソワと何かしら仕事の作業をして、

しかも「気になってたことが片付いたなー」

なんて、ちょっと安心すら覚えてた。

週末を半休、くらいに過ごしてた。

な、なさけない。


落ち着いた気持ちと静かに流れる時間の中でしか、

感じられない空気や見えない景色があると

知っていながら、全然できてなかった。

情けないけど、ひとりじゃない連休が

だからとっても嬉しかった。

 

だいぶ大人になってから、ようやく知っていった

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7月19日、日曜日。

南森町でカレーの撮影。

料理家の奥地さんをのぞき、デザイナーさんも

クライアントさんも初対面だったのに

その日は晴れていて、日曜日で、窓の外には緑の木々。


短パンやTシャツでキッチンにならんで

お喋りしながらカレーを作る人達の後ろ姿を

見てると、まるで友人の家に集まる休日だった


スプーンの上の山椒の粒や文字のかぶり方、

背景の野菜の数ミリを何度も調整しながら

精度は保ちつつ、空気は終始、

とてもリラックスしていた。

よかったな、よかったな。

意味のないピリピリなんて1ミリも欲しくないもの。


小さな道具ではなく、

最初は大まかにざくっ!と、一見大きな所動で

集中して料理を盛り付ける奥地さんの動きに、

見入ってしまう。そんな時の横顔を見ると

詩的な人だなあと思う。


やっぱりわたしは会社辞めてよかったかな、

こんなことばかり考えながら仕事やってたら

きっと簡単に落ちこぼれてしまう

 

自分で自分の生きる場所を選ぶこと、

だいぶ大人になってからようやく知っていった

みんないつもとちゅうにいる

 

サンドイッチと箕面ビール

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この日記が1年経って、去年の今ごろの私は

どんなだったかいなと見返せるのが面白い。

何を見てどう感じてどんなことをしたのかって

とても大切なのに、

私はあまりにすぐ忘れてしまう。


この場所が、

いよいよただの日記になってきた

..

7月18日、土曜日。

朝、フィルムを現像にだすために

人に教えてもらったモグカメラさんへ。

川沿いのレトロビルの3階、明るい場所だった。

オーナーさんは個性的な眼鏡をかけていて、

少し懐かしい人と同じものだったから

「おっ。」となって、親近感が湧いた。

はじめ緊張しながら扉をあけたけど、

とても優しそうな人だった。

https://mogucamera.net

 

夕方から、フードスタイリストの丹羽さんと

北堀江のシャムアさんで待ち合わせ、

桃のタルトを食べ食べ写真集と展覧会の打合せ。


作業の為にプリントアウトした

サンドイッチの写真たちが愛しすぎてはしゃぎ、

私達は会うたび飽きずに

サンドイッチの話ばかりしている。

数時間ではあたりまえに話したりず、

肥後橋のビアベリーに行き、夕暮れを眺めながら

夜になるまで遊びや健康や恋愛の話をした。

 

ここは2年前、同じく丹羽さんが

私の独立のタイミングに連れてきてくれた場所で

窓から同じ風景を見ながらビールを飲んでる

この夜が眩しかった。

 

ここのところ、日々、なんか良いな、

と思う場面であふれてる。

あふれすぎてたくさんこぼしてる。

 

なんとも幸福なことか、と思うし、

同時に、そんな夜も、孤独な夜も

同じように大切にしたいな、とも思う。