過去の仕事のプリントを見返してた
埃をかぶった過去に必死にしがみつこうと
してたことに絶望しかけたから、
情けなさを真正面から認めて
ショボいプライドと一緒に捨てた。
仕事の写真にまぎれて、
身近だった人のポートレートが出てきて
美しくてハッとした。
何を守ろうとしてたのかますますわからなくなって
「会社辞めよう 」と思った
一体何が残るのかが見てみたくて、
すべて捨てたくなってる。
何にも残らないのかもしれない、
それならそれで、
そのことには早く気が付いたほうがいい。
大切な友達が教えてくれた。
「守るのは両の手であたためられるだけでいい」
はやく気がつかなくちゃいけない。
どっちの世界にいる時も
シャッターを押す指だけは止めちゃいけない。
どうでもいいって言われる筋合い全然ないけど
律儀に哀しい顔してる自分に
どうでもよくないよって、
泣きそうになりながら真剣に言う。
すこし夏の匂いがした帰り道
去年よく寄り道してた公園の椅子に座ってみた。
それでも季節はまた寒くなって
夜明け前のようだと思った。