ふかふかの夜に。

本業はフリーランスのフォトグラファー。ここを日記のように使っています。誰かに見せたいものじゃなくて、自分が忘れたくない気持ちを置いとくところ。たまに写真や仕事のこと。

大きな眺めは良くても目の前は少し違う

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雨の木曜日。久しぶりに雑誌SAVVYの撮影で、いつものフードスタイリスト丹羽さんのご自宅へ。今年の1月と2月は、2018年に独立して以来いちばん仕事がないんじゃないかなという状態で、お仕事くれていたみんな、どこに行っちゃったの?と心細い気持ちでいる。

多忙で仕事を捌ききれずいつのまにか苛々クサクサしていた数年前の自分とは別人のような心境。いろんな時期があるなあ、今は思い切り谷だなあと、周りの山々を見上げている。

昨年、疲弊してすべての仕事を放り出して単身渡米することを決めた時は、「フリーランスなのに勝手なことをするのだから帰国後にしごとがなくなっても大丈夫。そこから出来ることをまたゼロから始めればいい。だって今いかないといけないから」と、強気とも弱気ともとれる覚悟をして行ったはずなのに今はショボショボと寂しく消極的な気持ち。

だからと言って渡米したことに後悔はなくて、そのおかげで沢山のことが今も絶えず起こりつづけていて疑う余地なんかなく絶対に行って良かったと思う。

問題は、今できること全てを今できているか。次に登る山を私は長いこと少し迷いすぎてしまってる。もういやだと投げ出したく思うことがあるし、日々の暮らしのあれこれを見返すと小さな時間軸では後悔することも多くて「オイオイ何やってたんだ」とヤケクソになりそうなことが割とあって落ち込むけど、考えることは放棄しちゃいけない。

ただ、プライベートでいろんな人と会う時間はふえた。ずっと会いたかった同業の先輩や伺いたいと思っていた店やギャラリー、作家さん。そしてなんでもないお喋りをしながら食事をする時間と睡眠時間が増えた。優先順位をつけるのがうまくなくて満ち足りた生活がまだわからないでいるけどそれでもわかるのは、今の不安な気持ちやかっこ悪い状況を、強がらず見栄も必要なく吐露してただ聞いてくれたり、解決策を考えようとしてくれる人たち、要するに信頼できる人たちに囲まれていることはちょっと普通と思っちゃいけないぞと、落ち込みながら実感してる。

一人ではきっと乗り越えていけないことがこれからも沢山、沢山、あるんだろうな。ありがたいです。

「努力はするけど開き直りと新しいこと始めてみたりして、周りに助けられながらちょっとずつ復活しつつあります」

おなじくフリーランスのフォトグラファーの先輩が、自分の場合は、と、かけてくれた言葉。ほんとうに優しい。