ふかふかの夜に。

本業はフリーランスのフォトグラファー。ここを日記のように使っています。誰かに見せたいものじゃなくて、自分が忘れたくない気持ちを置いとくところ。たまに写真や仕事のこと。

美しかった旅先のような夜

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7月18日、スマホのメモに残ってた少し前の日記。

最近、出張や旅行がたてこんでいた。

島根、長野、愛媛、淡路島。

機材のこともあってぜんぶ車で移動をしていて、ヒィヒィいいながらそれなりに忙しくさせてもらってたけど、不思議なことに日々の感動とは、遠くに行くとか初めての景色を見るとか、そうゆう刺激には反応しないんだなと感じる。

いつも感動できる自分でありたいと思ってるけど、心が揺さぶられる体験というのは自分の状態が影響するんだと思う。

ビニール傘にあたる雨の音をききながらシンとして歩く見知った道のほうが、今の私を満たす…みたいな話はどうでもよくて

昨夜、天六のボンボヤージュさんという店に打ち合わせに伺った。

2月から5月の渡米中に私はその場所のインスタアカウントを見つけて、空間の美しさに驚いてどうなってるんだここは…と眺めてた。

帰国後、偶然その場所の近くで撮影があって、帰りにその店の扉をひらくと、なんということか間髪入れず店主さんが「もしかしてポートランドいってらした方ですか?」と話しかけてくれた。

そのまま、空間好きが高じてこの店を作ってしまったという、建築畑ご出身の超感覚人間であろうその店主と「やりたい表現とお客さんの喜ぶことのバランスをとることのむつかしさ」について2時間ほどお喋りをしておいとました。

その辺りはもう、経験や体験にもよるし個人が目指す場所の在り方や生きたい世界や空気、どんな人と関わりたいエトセトラ…ひとつの正解はなくて諸説あるとおもってる。

とにかく初対面をそんな風に熱めに済ませて、数日後にいただいたDMが

「直感なのですが、店の今後についてご相談したく…」

超感覚人間!でも直感で選んでもらえること、なぜだろうとてもうれしい。尊い気持ち。

ともあれ、店主さん、スタイリスト丹羽さん、アトリエインカーブの林さんと一緒に閉店後の会議を。

会議の内容は、現実のことなので公式から追々。現実や出来事に興味が持てない癖が、さいきん再発・重症化しています。 そしてそう遠くない未来に私はそこで写真の展示をさせてもらうことになるのだけど、それに至った対話のテーブルが本当にとてもよかった。

テーブルの質感も、大きさも、各々が持ち寄ったものも。ものさしを感覚に持ってこられることの美しさを目の当たりにして、がんばってきてよかったなと思った。

自分がえらんでやってきた仕事で知り合った人たちと、親密な空気でもって表現としての写真や生きることの話をさせてもらえる時、とても幸福だと感じる。

とてもすてきな空間を作られる林さんは、展示にこだわりはあるかと問うてくれたので、撮る以上のことを私がしてしまうとおもいがこもりすぎてしまうから展示は人まかせでも良いくらい…みたいなことをウンウンきいてくれたし、本とサンドイッチとか、詩のこととか、たくさんお喋りさせてもらっちゃったなという気持ち。

A面のこともB面のことも混じりあってくれるといい。

今はこの世界がすきだとおもう。