ふかふかの夜に。

本業はフリーランスのフォトグラファー。ここを日記のように使っています。誰かに見せたいものじゃなくて、自分が忘れたくない気持ちを置いとくところ。たまに写真や仕事のこと。

Nくん

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5月14日の金曜日、

スタジオにNくんが来てくれた。

学生時代のバイト先の友達で、

13年ぶりだった。

Nくん、だった。

穏やかで男前でちょっとキザで

すごくまともで背が高くて、

色んなことをなんとかしてくれて

ゲームオタクで料理上手で

情緒が安定してる、Nくん。

当時から独立精神が旺盛で、

この人は会社を作るんだろうな

と思ってたら

本当に会社をたちあげていて

そうだよなあ、という感じ。


その日はお昼に大正で待ち合わせて

ネパールカレーを食べて、

私のスタジオで珈琲を飲んだ。

Nくんはセンスの良い

コーヒードリップのセットと

ひきたての珈琲豆をプレゼント

に持ってきて、

目の前で美味しいコーヒーを淹れてくれた。

幸せな眺めだった。良い時間だった。

良かったのは、

青春ど真ん中の時にそばにいた

友達だからだと思う。


私は当時

東京にいる恋人と大恋愛をしていて、

バイト先でも恋人の話ばかりしてた。

なのに、Nくんとは別の、

バイト先のバンドマンに

ちょっかいを出されて

東京の恋人と別れてエトセトラ

それは今でも後悔して…

 

…とにかくとっても青春をしてたのだ。

それが16年前、19歳。

時を経て、友達の結婚式で再会した

そのバンドマンと付き合って

同棲してた時期もあるけど

それはまた別の話。


Nくんは当時

オンラインゲームで知り合った彼女がいて、

そのまま22才の時に結婚し

今はお子さんが二人いる。

スタジオでコーヒーを飲みながら

40代のうちに子ども二人は家を出て

奥さんとの時間がふえるから

今から楽しみ、なんて話す彼に

なんて綺麗な年表なんだよ〜!と

言ったら

君にはライブ感がある、と言ってくれた。

 

Nくんに

「色々あって、今は私達の共通の知り合いと

付き合っていて、籍を入れるかも」

伝えると

「驚いたような、びっくりしたような。

一緒か。」と、

冷静なNくんを少し動揺させてしまった。

「そのひと還暦こえてるよね、元気すぎ」

と、つぎは冷静に言われた。


私は結婚して2ヶ月で離婚した

ことがあるバツイチだし、

ひとり旅で訪れたプラハ

現地のチェコ人と恋に落ちて

チェコ人が日本の私の部屋に

転がり込んでた時期があったし

(仕事が見つからずヒモみたいに

なったので帰りの航空券を渡して

帰ってもらった)

20代のころ、仕事で知り合った

スイス人の恋人と同棲するために

実家をとびだして、スイスの

ニューシャテルのご実家に挨拶に行って

そこで数週間を過ごしたけど

そこでのあまりの素敵な暮らしに、

文化レベルの高さに

カルチャーショックを受けすぎて

コンプレックスから振ってしまって

ぐちゃぐちゃになったりした。

 

そのときの色んなやりとりの中で、

ひとはあまりに準備のできてない

チャンスには乗れないんだと思った。

他にもストーカーとか

メンヘラな恋人とか

呑気には書けないようなことも

いくつかあって、

知り合いのライターさんには

インテリブスに弱いと言われ、

クライアントさんには

メンヘラ一本釣り名人と呼ばれてる。

あげく27歳上の恋人と

同じ墓に入りたいと思っていて、

ライブ感もこのあたりで

落ち着くんじゃないかなと期待しながら

でもどんな展開になっても見届けるぞと、

自分の観客でいる気持ち。 

 

※Nくんのイニシャルは

本名とは無関係です◯