ふかふかの夜に。

本業はフリーランスのフォトグラファー。ここを日記のように使っています。誰かに見せたいものじゃなくて、自分が忘れたくない気持ちを置いとくところ。たまに写真や仕事のこと。

4月28日/ポートランドの覚書

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Day69/

かがやく四角い部屋でのこと

ポートランドに訪れる予定もまだなかった頃、

SNSで、画家のAremy Stewartさんを

知りました。はじめて彼女の描く絵を見て

すぐに大好きになりました。

彼女はいつも「芸術」「しごと」「家族」、

すべてはとてもたいせつで美しく調和する、

ということも、作品とともに発信していました。

作品も 考え方も 、彼女が時々投稿する

うつくしい子ども達の写真も大好きでした。

でも日本にいるころはそれがどう可能なのか

ピンときてませんでした。

 

そうこうしてるうちに

ポートランドへ行くことを決め

到着してから数日後、ふと入った店で

カゴにばさっと入って売られてる

10枚ほどの水彩画の束をみつけました。

 

ゆっくり1枚選んで、裏返すと、

彼女のサインがありました。

画面越しに眺めて憧れていただけの、

接点を期待もしてなかったこのひとは

ポートランドにいたのかと驚きました。

購入したあとすぐ連絡をとり、

後日ギャラリーで会うことができました。

彼女はフレンドリーでチャーミングで

朗らかな作品そのもののようなひとでした。

 

ききたいことがたくさんありました。

だけどきけなくてもどかしかったです。

ひと月後、

次は彼女の制作スタジオに呼んでくださって、

彼女と彼女の子どもたちと一緒に

絵を描きました。

キラキラと輝く四角い特別な箱の中で、

愉快そうに絵を描く彼女を眺めていると

ことばがいらなくなって、その時間が

季節もないちいさな宇宙のようでした。

..

昨日、その日のフィルム現像が

上がってきたのでスキャンデータを

彼女に送ったら、翌日、

美しい物語と一緒に件のSNS

写真が投稿されていました。

私がはじめて彼女の作品を見つけた

あのアカウントにです。涙

そこには「撮ってもらった写真を見て、

ここに引っ越してきた時の自分では

なくなっていることに気づいた」

という言葉もありました。

 

彼女が言っていたことはぜんぶほんとうに

可能なことでした。

みんなが器用なわけでもないし

楽をしたいわけでもなければ、

当たり前にみんなに等しく日常がある、

当たり前のことだけど

そのことにほっとしました。

 

うまく言葉がみつけられないけど、

ここに来ると決めた時間とここでの時間が

そっと繋がってくれたようです。

さらに先のことにも関わるもっと大きな輪にも

なり始めてるんだろうとおもいます。

いま春の風にあたってるような気持ちです。

..

ここに来て起こったほとんどのことは

こぼれていってしまうけど

この小さな宇宙のことは

ちゃんと日本に持って帰ろうと思います。

April 28,2023