ふかふかの夜に。

本業はフリーランスのフォトグラファー。ここを日記のように使っています。誰かに見せたいものじゃなくて、自分が忘れたくない気持ちを置いとくところ。たまに写真や仕事のこと。

ふかふか

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6月14日、水曜日。

なんだか、たった3ヶ月ポートランド

暮らしてみただけで、全ての毒や棘がなくなって

しまいました。

不安や焦燥感が身を潜めて、

毎日幸せだなと感じて暮らしています。

 

どうして20代の時に東京いかなかったんだ

とか今すぐ海外に移住したいとか、

こんな仕事がしたいとかすごいって思って

もらいたいとか色んなことに手を出したいとか

沢山のことを後悔してメソメソする時間や

他人との比較エトセトラ、

なんにもなくなってしまいました。

とても楽です。

今あるものに満ちることが悪だと思っていた、

不憫な自分がなくなりました。

そうなると、写真も日記もなんだか

要らないような気になってきて、

すごいものだなあと思っています。

現地のポートランダー達はいつも私の話を

聞いてたくさん関わってくれて、

どうやって生きていこう、といつでもいつまでも

話し合ってくれました。

選択肢の幅は500倍も広くて、

価値観を一新させてくれました。

以前は、仕事をする時間はプライベートの

時間より意味があると思っていました。

仕事をたくさんすれば経験もふえるし

良いものがつくれると。今はちがいます。

クリエイティブなものをつくる人は

きっと、自然の中で過ごしたり

好きな人と料理をしたり何もしなかったり、

そうゆう時間をしっかり過ごしてるのでは?

と感じます。

あと、年のせいもきっとあります。

20代でポートランドへ行っても

たぶん退屈でした。

仕事中毒でカラカラになったボロ雑巾

みたいな状態で行ったから、

インプットできることが多かったです。

私は以前、何よりも写真の仕事を大切に

していたし、大切にするとはどれだけ時間を

かけたかなんだと思っていたけど、

今は別のことにも興味が出てきました。

いちどやめたっていいし、

また始めるとしたらそこからまた

始めれば良いとも思っています。

ポートランドへ行くことは

自分の生存確率を上げる選択。

その通りになりました。やっと思えました、

生きていてよかったです。

 

..


一昨日福岡で撮影をご一緒した

ディレクターさんも、

昨日、新しいレシピ本の仕事をくださった

編集者さんも、今日大阪で打ち合わせをした

デザイナーさんも、みんな

島田さんが帰ってくるのを待っていました。

と言ってくれました。つづけて、

もう、帰ってこないんじゃないかとも

思っていました、とも。全員が言いました。

焦りが見えていたのかもしれません。


また一緒に仕事をさせてもらえることは

もちろん当たり前のことじゃありません。

もう帰ってこないかと思ってた、は

本当にたくさんの人に言われました。

それなのに待っていてくれたこと、

今、無駄なものが少し削ぎ落とされて

前よりもっと良い仕事ができると思います。

がんばりたいです。